北海道ロジサービス株式会社さま
改正物流効率化法の対応に留まらない、未来を見据えた変革。
DD Plusとtelesa-reserveの先進的活用事例
北海道ロジサービス株式会社 店舗物流部店舗ドライグループ グループ長 堀井 康裕さま、
北海道ロジサービス株式会社 物流管理部 部長 室田 芳孝さま
北海道ロジサービスさまは、コープさっぽろグループの店舗・宅配の物流を担い、道内約210万人の組合員の暮らしを支えています。2026年6月には、AI需要予測による配送便の集約と地域シェアリングモデルの構築によって、「第1回日本物流大賞」を共同受賞するなど、持続可能な物流の実現に向けた先進的な取り組みを推進されています。
同社では、納品伝票電子化・共有化システム「DD Plus(ディーディープラス)」と入出荷予約サービス「telesa-reserve(テレサリザーブ)」を導入し、物流現場の効率化を実現しています。その具体的な成果と取り組みについて、お話を伺いました。
※2026年7月取材当時の情報をそのまま掲載しています
※掲載されている会社名、商品名等は、各社の登録商標または商標です
【ポイント】
電子化による伝票収受作業の効率化から、システムによる自動照合へ
JPR貴社では全国的に見ても、かなり早い段階から納品伝票の電子化に取り組まれています。現在、納品伝票電子化・共有化システム「DD Plus」をどのように活用していらっしゃいますか。
北海道ロジサービスさまお取引先である納品メーカーさまやベンダーさまのご協力をいただきながら、2020年に実証実験を開始し、以降段階的に納品伝票のデジタル化を進めてきました。現在では、従来の紙の納品伝票から「DD Plus」を利用した電子納品伝票の運用へと原則として切り替わっています。デジタル化を進めたことで、紙の伝票を1枚ずつめくって受領印を押印するといったアナログの作業が解消しました。
作業時間の削減効果については、紙から電子への切り替えの工程に限れば10〜15%程度といった印象ですが、伝票処理は一連のプロセス全体で評価する必要があります。例えば、事後に確認が発生した際、対象の伝票を探す手間などが大幅に軽減された点も大きな成果です。
JPR前後の工程や関連する作業も含めて効率化が図られるのですね。現在はさらに進んで、データ照合の自動化にも取り組まれているとのことですが。
北海道ロジサービスさまはい、従来は発注データと紙の納品伝票を手作業で突き合わせ、目視で消し込んでいました。現在これをシステム化し、自動照合へと移行しているところです。
例えば、伝票には商品名が記載されていますよね。その商品名が、発注データの表記と微妙に異なって表現されていることがあります。そうすると、「これは同じものなのか、違うものなのか」という判断が必要になるわけです。ここに、担当者の経験値に頼る部分がありましたし、間違いが起きる原因にもなっていました。納品伝票とデータの照合に誤りがあると、対象の伝票を探して確認するといった手間が発生しますし、差異が解消するまでメーカーさま側の計上処理ができなくなってしまいます。システム上で照合すれば、処理速度があがるだけでなく、人的な判断を行う機会そのものが減りますから、ミスが減少し正確性が増します。
JPRデジタル化は効率の向上とともに、誰もが作業に対応できるようになる「標準化」という意味もあるのですね。日々、大量の伝票処理を担当する方の心理的な負担の軽減にもつながりそうです。
北海道ロジサービスさまそうですね。江別センターと、近隣の東雁来センター合わせて1日平均500〜600枚ほどの納品伝票を処理しています。当然、曜日や繁忙期、時間帯によるピークの波があるなかで、伝票のデジタル化・標準化は現場スタッフの負担軽減とセンター運営全体の安定化に寄与します。
切迫した地域課題と「スモールスタート」で広げる変革の輪
JPR改めて伺いたいのですが、業界内では「他社の様子を見てから」という慎重な姿勢の企業も多い中、なぜ貴社はいち早く伝票電子化へ踏み切れたのでしょうか。
北海道ロジサービスさま北海道は全国に先駆けて人口減少による働き手の不足や輸送密度の低下が起きるという将来に対する強い危機感があります。こうした事業環境にあることが導入を後押しした大きな要因です。
それに関連することですが、当社では、省人化・自動化に対して積極的な投資を行っています。新しい設備や技術を導入する際には、オペレーションの変更など負荷がかかることは事実ですが、導入効果を実感することが成功体験となって、次なる「変化」へのハードルを下げます。
例えば、納品伝票とは全く異なりますが、ノルウェーで開発された自動倉庫型ピッキングシステム「AutoStore(オートストア)」を導入して、省人化と取り扱い可能なSKUの大幅な増加を図ったのはその一例です。
こうした事業環境や企業風土があることもいち早く納品伝票の電子化に取り組んだ理由と言えるかもしれません。
JPR納品伝票電子化の普及に向けては、「他社の導入や普及動向を見守る」という意向の企業も多くありますが。
北海道ロジサービスさま「できるところから始める」という発想も大切ではないでしょうか。最初から100%というのはなかなか難しいものです。お取引先にご理解をいただきながら、まずは試験的にでも導入してみることで、「結果的に助かった」「やってみたら問題なかった」という声が返ってくることも多いです。
納品伝票電子化では例えば路線便など、導入のハードルが高い領域があるのは確か。ただ、納品頻度の多い上位のメーカーさまが電子化をすると、相当の効果が得られます。このように、スモールスタートで着手し、対話を通じて徐々に電子化の輪を広げていく手法が有効だと感じています。
「telesa-reserve」で荷待ち時間をほぼゼロに。データに基づく継続的な業務改善
JPRでは、次に入出荷予約受付システム「telesa-reserve」の活用状況について教えてください。
北海道ロジサービスさま手書きの受付簿のシステム化を完了し、宅配部門では時間枠の予約の運用を開始しています。システム活用前は、3〜5時間もの待機が発生することがあり、ドライバーから敬遠されることもありましたが、待機時間は大幅に減少し、改正物流効率化法にいう「荷待ち時間(呼び出しまでの時間)」は、現状ほとんどない状態にまで改善されています。今後店舗部門でも予約枠の設定を進める予定です。
北海道ロジサービスさままた、「実績データレポート」機能を活用することで、従来CSVファイルのダウンロードや加工に掛かっていた作業も大幅に減りました。ビジュアル化されたデータを活用して、状況の確認や問題点に対する話し合いをおこなっています。
JPR荷待ち時間は大幅に短縮されたとのことですが、実績データレポートを、その状態の維持やさらなる改善にどのように活用していますか?
北海道ロジサービスさま月次の社内会議でレポートを確認し、異常値があれば原因を検証しています。
例えば、「荷待ち時間が長い」と表示されたケースを調査したところ、センターの始業時間よりも大幅に早く到着したドライバーが、時間外に端末で受付操作をしていたものだとわかりました。これは改正物流効率化法の定義による「荷待ち」ではない早着であったため、システム側で始業時刻を設定してデータ精度を正すと同時に、予約枠の事前取得を促す案内を行いました。こうしたPDCAサイクルを回す上で、可視化データは不可欠です。
JPR実際の現場では予定通りにいかないこともありますか?
北海道ロジサービスさまそうですね。例えばトラックが予約した時間に遅延してしまった場合に、受付順を最後尾に回さずに、どのように調整していくか。なかなか難しい課題です。逆に予定よりも作業が早く進行していれば、次の予約枠のトラックをバースに呼び込むといったフレキシブルな運用も必要です。
JPRシステムだけでなく、現場の工夫が一体となって効率的な運用が実現するのですね。
貴社が、日本物流大賞を受賞されたAIによる配送車両の集約と、共同輸送のお取り組みの発表資料を拝見したのですが、そこに記されていた「AI予測×匠の現場⼒」という表現が印象的でした。
北海道ロジサービスさま実際の現場は、システムさえあれば解決とはならないですね。熟練の担当者の知識や経験もまた大切です。
JPRわたしたちJPRとTSUNAGUTEも、ただシステムを提供するだけでなく、お客さまと一緒に新しいしくみづくりに取り組むことを大切にしています。
北海道ロジサービスさまええ、直接物流センターの現場事務所に足を運び、現場スタッフとコミュニケーションを取りながらシステムの改善や定着を進めていただいていますね。細かい部分への対応にも感謝しています。これからもよろしくお願いしますね。
JPR貴重なお話をいただきありがとうございました。