遠東新世紀股份有限公司さま
国際輸送のワンウェイパレットをレンタルパレットに転換

遠東新世紀股份有限公司(FENC)さまは、PETボトルのプリフォームの輸送でJPRをご利用いただいています。台湾から日本に向けたレンタルパレットによる輸送についてお話を伺いました。
※2025年6月取材当時の情報をそのまま掲載しています
※掲載されている会社名、商品名は、各社の登録商標または商標です
JPRはじめに御社の概要について教えてください
遠東新世紀・Reinaさま遠東新世紀は、台湾の紡績、樹脂製品メーカーでPETチップのサプライヤーとしてアジアでトップ、世界第5位の企業です。日本の多くの飲料メーカーさまにPETボトルの原材料となる樹脂やプリフォームを供給しています。JPRさんのレンタルパレットを利用しているのは、このプリフォームの輸送です。当社の台湾の工場から、日本の飲料メーカーさまに向けた輸送をレンタルパレット化しています。
JPRプリフォームとはどのような製品ですか
遠東新世紀・Reinaさまプリフォームとは、PETボトルの素になる材料のことで、試験管のような形をしています。プリフォームをブロー機という設備で膨らませると、皆さんが手にするPETボトルになります。プリフォームは、PETボトルよりも容積が小さいですから、成型後のボトルを運ぶよりも効率が良いことが物流面での利点と言えます。

JPRレンタルパレット導入前はどのような運用でしたか
遠東新世紀・Reinaさまかつては、木製のパレットを使用していました。木製パレットには、虫害や木屑など異物の混入のリスクが課題でした。そこで、プラスチック製のワンウェイタイプのパレットに切り替えたのですが、強度面で繰り返しの利用ができません。このため、輸送後のパレットの廃棄という問題が残りました。当社のお客さまである飲料メーカーさまの工場には、使用後のパレットが溜まり保管スペースが必要になりますし、最終的には廃棄等の処理を行わなければなりません。コスト・環境の両面から解決を図りたい課題となっていました。

JPRそこでリターナブルなレンタルパレットのご利用につながっていくのですね。JPR導入のきっかけは、どんなことがありましたか?
遠東新世紀・Reinaさまきっかけは、今回レンタルパレットによる輸送を開始したお客様――日本の飲料メーカー――から、検討を依頼されたことです。この飲料メーカーさまでは、日本国内での製品輸送にJPRさんのレンタルパレットを利用しており、同じパレットをプリフォームの輸送に使えないかとご提案いただきました。それで、JPRさんへ相談を始めたのが2016年。翌2017年からレンタルパレットでの輸送を行っています。

JPRワンウェイパレットの課題は解決されましたか
遠東新世紀・Reinaさまはい。飲料メーカーさまからは、保管や廃棄の問題が解消することができたことに対して評価をいただきました。また、当社がプリフォームを輸送してきたレンタルパレットをそのまま日本国内での製品輸送に使用できるため、JPRさんからのパレット供給にかかる輸送コスト等の低減にもつながったと伺っています。

JPRレンタルパレットの導入にあたって工夫されたことはありますか
遠東新世紀・Reinaさまプラスチック製パレットの「滑り」の問題に対策を取りました。「滑り」とは、海上輸送の過程で起きる揺れによって、コンテナの中でパレットに載せた段ボールケースがずれることです。上段の段ボールが下段の段ボールにめり込むような形で、傷んでしまうことがあります。
これを防ぐために、フィルムや紐で補強を施しました。テスト輸送を実施して、問題がないことを確かめて本番導入に移行しています。

遠東新世紀・Reinaさま運用の面では、導入当初はパレットの数量管理の定着を丁寧に行いました。現場にシステムの入力などの手順を理解して実施してもらうことです。JPRさんのサポートも受けながら、今ではすっかり定着しています。それからパレットの供給ですね。お客さまへのプリフォームの輸送に必要なパレットを欠品せず、過剰な在庫にもならないように準備しなければなりません。
JPR現在は、御社の計画に合わせて必要な数量のパレットを日本から供給させていただいています。
遠東新世紀・Reinaさま海上輸送ゆえに天候等の要因でレンタルパレットの供給スケジュールが乱れることもあります。そのため供給にあたってのJPRさんとのコミュニケーションが欠かせませんね。この面でもしっかり対応いただいています。
JPRありがとうございます。今回の取り組みに対する遠東新世紀さまの社内での評価はいかがでしたか
遠東新世紀・Reinaさまパレットのリターナブル化による環境面の効果について、社内で共有され高く評価されています。当社は環境負荷の軽減に全社で取り組んでおり、例えば、当社グループの遠東石塚グリーンペット株式会社では、PETボトルの水平リサイクルモデル「Bottle to Bottle」を事業化しています。ペットボトルからペットボトル原料を生み出す水平リサイクルは、石油由来の原料からペットボトルをつくる場合と比較してCO2排出量を削減する効果が得られます。環境問題に対する解決策をお客さま企業からも求められています。
JPR様々な場面でサステナブルなしくみづくりが求められていることを実感しました。今後、物流の領域ではどのようなことにチャレンジしようとされていますか
遠東新世紀・Reinaさま今回のレンタルパレットのスキームを当社の他のお客さまにも展開していきたいと考えています。また、パレット以外でも、環境に対する取り組みを進めていきたいですね。その一つが脱ダンボール。プリフォーム輸送用のアルミ製の通い箱について関心を持っています。すでに、そういった製品は存在するのですが、かなり高額で...。リターナブル化、循環利用の仕組みづくりにあたっては、JPRさんと取り組めることがあればと考えています。
JPR貴重なお話をありがとうございました。
インタビューを終えて。遠東新世紀のReinaさま(写真中央)とJPRの営業担当