航空機材株式会社 さま・日本航空株式会社 さま

ミールカートの在庫と状態を見える化。新規購入数の15%削減を目指す!

左から:日本航空株式会社 商品・サービス企画本部 開発部
機内食オペレーション室 機用品管理グループ
グループ長 藤尾 智宏さま・小倉 美文さま
航空機材株式会社 常務取締役 井出 成俊さま
整備業務室 室長 平山 栄さま・小川 華奈子さま

航空機材株式会社は、日本航空株式会社をはじめとする航空各社の航空機へ搭載する機用品の管理・修繕を行う企業だ。
航空会社とともに、高価なミールカートの管理には長年苦慮していたが、JPRの「Logiarx(ロジアークス)」を導入したことにより、大幅な効率化・省力化を実現した。
その活用の効果と今後への期待を航空機材株式会社の井出氏、平山氏、小川氏、日本航空株式会社の藤尾氏と小倉氏に聞いた。

※2018年11月掲載当時の情報を2020年3月に更新し、掲載しています
※記載されている会社名、商品名は、各社の登録商標または商標です

JALのミールカートの修理整備を一手に担う

航空機材株式会社は、もともと航空機のウィンドウ修理を担う会社として設立した。その後、客室装備品の修理を行うようになり、今年で50年を迎える歴史ある企業だ。
日本航空株式会社からは成田・羽田・関西国際空港の拠点における客室機材の管理と、機内食提供の際に使用されるミールカートの修理整備を一手に任されている。一度出荷されたミールカートは、10台あれば10台とも異なる動きをする。早いものは1カ月で修理が必要となることも。それを滞りなく、修繕し現場へ届けるのが航空機材株式会社の役割だ。

「Logiarx」により、ミールカート管理の課題解決に挑む

長年の実績を持つ航空機材株式会社だが、大量のミールカートの管理の煩雑化に課題を感じていた。井出氏は、「月間で、600台前後のメンテナンス発注をいただいています。特に、飛行機を利用するお客さまが多い、お盆時期や長期連休、夏休みなどの前後は繁忙期となります。旅行者が増える前にミールカートを納品し、旅行ピーク期が終わると一気に戻ってくる。こうした、大量のミールカートの在庫管理、修理、整備履歴管理やそれにともなう請求業務などは、これまですべて手入力で行ってきました。そのため、データ作成に時間がかかり、リアルタイムでの把握ができませんでした。ヒューマンエラーも発生している状況でした」と振り返る。
ミールカートの管理は日本航空株式会社でも20年ほど前から課題とされてきたものの、コスト面の問題からシステム化できずにいた。そんな中、2016年にJPRのクラウド型個体管理システム「Logiarx」(ロジアークス)と出会う。「Logiarx」はクラウド型で、サーバ購入および構築費・システム開発などの初期費用やディスクやメモリー増強などのメンテナンス費、そして、それにかかわる人件費を抑制することができる。また、ステータス情報を登録でき、1つの画面で現状把握が可能だ。ミールカートへQRコードなどを貼付し、InternetExplorerが利用できる環境であれば、どこでも閲覧できる。藤尾氏は、課題の解決とコスト面でのメリットを感じ、「Logiarx」の導入を決断した。

業務省力化とコストの削減、「Logiarx」導入の成果

「Logiarx」を導入して感じたメリットを、小倉氏はこう語る。「個体管理が可能となったので、大変な作業だった在庫管理や棚卸しが不要となり、リアルタイムで在庫状況を把握することができるようになりました。ミスや漏れがなくなり、正確性も実現。省力化をはかれたことは大きなメリットです」
加えて、整備関連業務においても、「入出荷で読み取られたデータを活用することで、請求にかかわる入力が不要になったことも大きな成果でした。より本質的な業務に時間を割けるようになったと感じています」と平山氏は続けた。
日本航空株式会社は、ミールカートの台数をリアルタイムに正確に把握できるようになったため、余剰在庫をなくし、余計なカートを新規購入することもなくなった。結果として、ミールカートの購入台数を15%分も減らす見込みで、コスト削減に繋がることを期待する。

航空機材株式会社は、顧客との取引にもメリットがあったという。「これまで手作業とペーパーワークで行っていたものを、許可権限を共有し日本航空株式会社様とシステム上で同じデータを閲覧できるようになりました。これにより、正確でタイムリーな情報提供が可能になり、プレゼンスの向上へとつながっています」と、小川氏は手応えを感じている。
現在、QRコードの貼付は保有する2万台のミールカートのうち91.5%まで完了している(2020年1月末現在)。最終的には98%以上のミールカートに貼付し、完全な見える化の実現を目指している。これにより、作業効率はさらに加速度的にアップするだろう。また、年に2回設けられている棚卸しにこれまでは、2名×2日間の時間を要していたが、リアルタイムで在庫数を把握できるようになったので、工数を大幅に削減できることが予測されている。
最後に、藤尾氏はJPRへの期待をこう語った。「今回はミールカートの管理についての課題解決でしたが、いずれは食器やブランケットに至るまですべての機用品を個体管理する未来を実現してほしい。私たちがかかわる機用品は、海外にまで運ばれていくものなので、正確な個数把握が困難です。そのような課題を、『Logiarx』を横展開していくことでどんどん解決していく。『ジャパン』パレットレンタルではなく、『ワールド』パレットレンタルとして、グローバルなインターフェースとなっていただくことを期待しています」

クラウド型個体管理システム 「Logiarx」とは

Logiarx(ロジアークス)は、クラウドでRTI(パレットやカゴ車、プラスチックコンテナなどの通い容器)の個体管理が可能です。
スムーズな管理や紛失防止によるコスト削減、個体データの分析・活用でお客さまの運用改善に貢献します。