株式会社コスモスモア さま

オフィス移転の進捗管理、作業効率化を実現するために「Logiarx」を導入

左から:株式会社コスモスモア
ファシリティ事業部 部長 田口 篤志さま
管理部 管理課 課長 岡田 基さま
ファシリティ事業部 ファシリティ2課 課長 中村 正典さま

住宅領域とオフィス領域で設計・施工・デザインなど、幅広い事業を手掛ける株式会社コスモスモアは、JPRの本社移転を請け負ったのをきっかけに、オフィス移転業務の管理などを目的として、JPRの「Logiarx(ロジアークス)」を導入した。同社ファシリティ事業部の田口篤志氏と中村正典氏および、「Logiarx」導入時にその担当をつとめた管理部の岡田基氏に、同社の業務内容や「Logiarx」の活用について伺った。

※2017年11月掲載当時の情報をそのまま掲載しています
※記載されている会社名、商品名は、各社の登録商標または商標です

オフィスの設計プランニングから移転業務まで幅広く事業展開

株式会社コスモスモアは、リクルートグループのリフォームなど、工事事業会社として1990年に設立された。1996年にモデルルーム事業、オフィス事業などに進出。2001年には、オフィス事業の全国展開を始めた。2005年にコスモスイニシア(当時のリクルートコスモス)がリクルートグループから独立。2013年、コスモスイニシアが大和ハウス工業株式会社と資本業務提携契約を締結したことで、現在は大和ハウスグループの一員となっている。
同社は現在、大きく分けて住宅領域とオフィス領域で事業を行っている。ファシリティ事業部部長の田口氏は、「住宅領域では、マンション販売支援、アパート建築、シニア施設建築などの事業を展開しています。オフィス領域では、オフィスの設計やデザイン・施工、プランニングまで幅広く手掛けています」と語る。ファシリティ事業部ファシリティ2課課長の中村氏が、以下のように付け加える。
「住宅領域では、土地オーナー様の土地活用の相談を受け、主に介護老人保健施設(老健施設)、シェアハウスなどを建築しています。老健施設などの高齢者施設建設関連の仕事も増えています。このほか、分譲マンションのインテリア販売も手掛けています。オフィス領域では、オフィスのプランニングやレイアウト変更、それにともなう移転などの業務が中心です」

「働き方改革」を実現するオフィスレイアウトを提案

政府は、2016年より「働き方改革」の取り組みを提唱しているが、それにあわせて、同社でもオフィス領域事業で働き方改革にかかわる相談が増えたという。中村氏が続ける。
「たとえば、ある企業からオフィスのレイアウト変更や移転についてオファーがあり、よくよくお話を伺うと、上司から『うちでも働き方改革をするから、それにあったオフィスを考えて』と指示が出ているが、実は何をしていいか分からない、と悩まれていることがあります。そんな時に、私たちのサービスが活きてきます」
中村氏は、その企業の雰囲気や業務内容にあわせて、働きやすいオフィスのレイアウトを顧客とともに考えていくと話す。
「最近では、個人のデスクを固定しないオフィスの方が効率的という会社もあります。しかし、内勤者が多いオフィスだとしたら、それで生産性が上がるかは疑問です。むしろ固定席のまま、高機能の椅子を導入する方が、社員の働き方にはプラスになるかもしれません。このように、レイアウト一つをとっても当社では働く人の目線に立った提案をさせていただきます」

株式会社コスモスモアのオフィス。企業の雰囲気や業務内容にあわせたオフィスデザインで、「働き方改革」の取り組みを推進している

機能性に優れながら楽しさ、驚きを与えるオフィスに仕上げる

什器1台の納品から、何千坪という移転やレイアウト変更工事まで、年間2,000件以上の実績があるという同社が経営ビジョンとして掲げているのは、「モノづくりにおいて『デザイン+α』の付加価値を提案し実現する」というもの。住宅領域でもオフィス領域でも、携わるすべての人の想いを形にすること、そして機能性に優れながら楽しさ、驚きを与えるデザインに仕上げることを目指している。
「オフィスのデザインによって働いている方が満足し、モチベーションが上がるなら、とても意味があることだと思います。当社の強みは、働きやすさを追求しつつ楽しさや驚きをもたらすデザインができること」と中村氏は言う。
同社の手掛けるデザインに惹かれて顧客になった企業は多いというが、実はJPRも2012年のオフィスの移転業務を同社に依頼しており、その後、両社の間で新たな展開が始まることになった。経緯を田口氏が語る。
「JPRさんから移転の仕事を受注し、その業務が終わった後も、当社の担当が定期的にフォローで伺っていました。その中で、JPRさんの「Logiarx(ロジアークス)」の存在を知り、当社の移転業務に応用できるのではないか、と思ったんです」
「Logiarx」は、JPRが提供しているクラウド型個体管理サービスのこと。RFIDなどの自動認識技術を活用して、自社保有の物流容器(パレットやカゴ車、プラスチックコンテナなどの通い容器)のスムーズな管理、紛失防止を実現するものだ。

「Logiarx」を導入することで作業時間が以前の5分の1ほどに

オフィスの移転では、大量の荷物を輸送する。2016年のゴールデンウィークに各地で移転業務を手掛けた際には、あわせて11万箱を扱った。以前は、段ボールに貼付したバーコードを一つひとつ読み取り管理していたという。「Logiarx」の導入にかかわった管理部 管理課 課長の岡田氏は、次のように話す。
「大掛かりになればなるほど、当然時間がかかります。荷物の紛失の危険もゼロではありません。管理品質を上げたい。もう少しスピーディーに、かつ細やかに管理したいと思っていたときに「Logiarx」のことを知り、JPRさんと一緒に運用を改革することになったのです」
同社とJPRは、昨年末頃から試験を開始。箱にRFタグを貼付し、HHT(読取り機器)で読み取り、「Logiarx」で確認するテストを繰り返した。そして、今年のゴールデンウィークの繁忙期に本格導入することとなった。
「セキュア品を積載し、追尾する必要があった約3,000箱にRFタグを貼付しました。以前、バーコードで管理していたときは、箱を一つひとつ読み込んで確認していましたが、RFIDなら台車ごと一気に読み込めるので、作業時間を5分の1程度に減らすことができました」と岡田氏。以降、同社のオフィス移転業務では「Logiarx」を活用している。

(上)「Logiarx」とともに採用されたハンディターミナルとモバイルプリンター
(下)「Logiarx」の管理画面

顧客に最先端システムの導入を認知してもらうことが付加価値に

「Logiarx」を使えば、現場にいなくても、パソコンを見ながら全体の進捗状況がわかる。これも大きなメリットだと言う。
「現場にいなくてもリアルタイムで情報が見られます。場合によっては、お客さまにも画面のプリントスクリーンをお渡しし、その場で問題がないことを確認していただくことができます」と話す岡田氏。荷物の輸送におけるポイントごとに移動履歴を取ることで、作業を可視化できた。パソコンだけでなく携帯端末でもリアルタイムに確認でき、作業の進捗管理と紛失の心配を軽減できることは、同社に対する信頼感にもつながるはずだ。
田口氏が次のように付け加える。
「運用中はJPRさんでも遠隔で状況を見ていただけました。間違いなどがあれば、すぐに知らせてくれるので助かりました。顧客に寄り添い、より近い場所でサポートしてくれる会社だと感じました。また、こういう最先端のシステムを導入している会社だとお客さまに認知していただくことは、当社にとっても付加価値になっています」
同社が「Logiarx」で実現した効用は、予想以上のものだったようだ。同社とJPRの関係は「Logiarx」だけで終わりではなく、物流容器(RTI)の調達などについても引き続き相談中だという。最後に、田口氏にJPRへの期待や要望を語ってもらった。
「「Logiarx」は物流容器の個体管理システムとして開発されたものだと思いますが、当社のようにオフィス移転業務でも活用できました。まだまだほかにも応用できるのではないでしょうか。たとえば、「Logiarx」を利用して、お客さまのオフィスの資産管理などができそうな気がします。JPRさんの社内でもアイデアはあるのでしょうが、当社とともに新たな活用法を考えていくことも検討していただけるとうれしいですね」

  • RFID(Radio Frequency IDentification)とは微小な無線チップにより人やモノを識別・管理することができる、インターネット以来の画期的な情報技術。SuicaやEdyなどのICカードもRFIDの一種である。