株式会社ファイントゥデイ さま/丸紅ロジスティクス株式会社 さま
企業と企業の連携から生まれた日中間での国際パレット輸送

丸紅ロジスティクス株式会社 国際事業本部 松橋 輝明さま(写真中央)
日本パレットレンタル株式会社 広域営業2部 古谷 英貴(写真左)
株式会社ファイントゥデイさまは、日本国内のレンタルパレットネットワークにシームレスにつながる日本・中国間でのレンタルパレットの循環利用をスタートしました。その取り組みの成果について、株式会社ファイントゥデイ(以下、FT)の SCM購買統括本部 内坂 献二さまと丸紅ロジスティクス株式会社(以下、ML) 国際事業本部 松橋輝明さまに、お話を伺いました。
※2024年11月掲載当時の情報をそのまま掲載しています
※記載されている会社名、商品名は、各社の登録商標または商標です
中国向けの輸出を国内同様のPT-11型レンタルパレットに変更
JPR今回の取り組みの概要を教えてください
FT・内坂さま私たちファイントゥデイグループは、資生堂からパーソナルケア事業を引き継いで2021年に誕生しました。パーソナルケア領域において、アジア地域のグローカル企業のロールモデルとなることを目指して、確かな品質のモノづくりと新しいチャレンジを続けています。私が担当している国際物流の領域での挑戦もその一つです。

パレットに関しては、以前から日本国内ではJPRのPT-11型レンタルパレットを利用していまして、生産拠点からお届け先まで一貫パレチゼーションを行っています。一方、中国への輸出用では使い捨てパレットを使用していました。使い捨てパレットに製品を積み替えて、中国側ではそのパレットを廃棄するという運用です。
2024年問題や環境の観点から改善策を探っていたのですが、今回、JPRさんと丸紅ロジスティクスさんからの提案で、日本国内で使用しているPT-11型をそのまま中国向けの輸出に使える環境が整い、切り替えを決定しました。

JPR国内と同じPT-11型に切り替えたことでどのような効果が得られましたか?
FT・内坂さま当社は年間およそ60,000パレット分の製品を中国に輸出していまして、輸出時に積み替えとフィルムの巻きなおしをしていました。1パレットあたり最大5分を要していましたので、理論上、最大5,000時間のトラックドライバーの荷待ち時間削減に相当する計算です。また、使い捨てパレットの廃棄の取り止めは、環境面での成果です。

物流業界のニーズに応える共同化の取り組み
JPR丸紅ロジスティクスさまには、今回、中国においてパレットデポの運営を担っていただいているほか、スキームづくりにも関わっていただきました。御社にとってこのプロジェクトはどんな挑戦でしたか?
ML・松橋さま私ども、丸紅ロジスティクスは、フォーワーディング事業を生業としているなかで、物流の共同化に取り組んでいます。ファイントゥデイさまに参画いただいているコンテナのラウンドユースはその一例です。

最近、お客さまから「物流2024年問題や環境負荷軽減の対策に取り組まなければないが、具体的には何をしたらいいのか?」といった声を伺う機会が増えています。当社としてもこうした声に応える付加価値の高い提案に挑戦したい。そういった経緯の中で、パレットに関心を持ったのは、実はファイントゥデイさま同様に積み替え作業に悩む企業との対話がきっかけでした。
JPR・古谷共同化や企業間のコラボレーションによって課題を解決していくというアプローチは、長年JPRが取り組んできたことですが、最近その意義や効果に対する関心が高まっているように感じます。
海外におけるレンタルパレットの展開は国内と比較するとまだこれからというところです。これまでもPT-11型パレットを輸出入に使い、積み替えのない輸送を実現したいというご要望をいくつかのお客さまから頂戴していたのですが、輸出・輸入の物量のバランスが取れないという問題を乗り越えられずにいました。このため、パレット自体も、国内用、海外用が別々の仕様のもので運用していたのです。
今回、4社共同の取り組みを通じて、ファイントゥデイさまともう1社のお客さまであるケンビューさまが、日中間でPT-11型を循環利用していただける条件が整ったのはJPRにとっても幸運なことでした。
FT・内坂さまうまくバランスする物量の2社が参加できたことが良かったですね。直接荷主企業同士がコラボを打診しあうというのは実際にはなかなか難しいことです。
JPRプロジェクトを通じてどのようなことを意識されましたか?
FT・内坂さままず、パレットの供給が安定的になされるのかという点です。最もプライオリティが高かったと思います。もう一つはパレットの品質なのですが、こちらは国内での利用実績がありましたからクリアできました。
これから目指していくこと
JPRこの取り組みをどのように発展させていきたいですか?
JPR・古谷今回の取り組みを契機として、他の国や地域や、様々な業種にも取り組みを広げていきたいと思います。そのためにも、日中間の輸送の安定的な運用をより確実なものにしていきます。
ML・松橋さま当社内では「いまが頑張りどころ」だと話し合っています。横展開に向けて当社が担っているデポの運用を含めてしっかり整備し、経験値を積んでいきたいと思っています。
FT・内坂さま当社では日中間以外にも輸出入のルートがあり、運用の統一を図っていきたいと考えています。JPRさん、丸紅ロジスティクスさんからの新たな提案を期待しています。
JPR貴重なお話をありがとうございました。