⻑瀬産業株式会社 さま
化学品業界の共同輸送マッチングサービスTranOptを活用した取り組み
機能化学品事業部 仲吉陽祐さま
⻑瀬産業さまは、国内外の幅広い企業約18,000社とのお取引を有する化学系商社のリーディングカンパニー。さまざまな分野で新しいビジネスを生み出しています。今回は、同社 機能化学品事業部 仲吉陽祐さまに化学品業界の物流の状況とJPRのTranOpt(トランオプト)を活用したお取り組みについてお話を伺いました。
※2024年5月当時の情報をそのまま掲載しています
※掲載されている会社名、商品名は、各社の登録商標または商標です
化学品業界における2024年問題の深刻度は?
化学品業界でも2024年問題を深刻に受け止めています。人手不足によってトラックドライバーが確保できなくなり、物流が止まってしまうというリスクが認識されています。また、化学品は製品の性質上、「汚れ」「臭い」など物流会社やドライバーに敬遠されがちで、今後輸送を断られるケースが増えてくると予想されます。すでに、弊社のお客さまから、「化学品は運びたくない」という運送会社が出てきている状況を伺っています。このような中で化学品を主に扱う弊社は、モノが運べなくなる状況になることを危惧しています。
化学品ならではの課題はありますか?
危険物を含む化学品は、保管や輸送にあたってコンプライアンスの遵守が求められます。昨今化学品業界では、中継輸送を進める動きがありますが、危険物の保管を行うことができる倉庫がひっ迫していまして、この点も深刻な問題としてあげられます。
人手不足が進みドライバーからも敬遠されれば、トラックが確保できない。コンプライアンスを遵守したうえで中継輸送を行おうとしても拠点が足りない。この2つの観点で化学品の物流は深刻度が高い状況になっています。
共同輸送マッチングサービスTranOptを活用したお取り組みについて教えてください。
TranOptを活用して、化学品業界に特化した共同輸送をマッチングする取り組みを進めています。化学品業界向けにTranOptのライセンス提供を受け、「化学品AI共同物流マッチングサービス」という名称で展開しています。
化学品の輸送においては、一般の製品とは違い、化学品に特化したマッチングが必要となる領域が多くあります。たとえば危険物は、消防法によって第1~6類に分類され、混載できる等級、できない等級の組み合わせが定められています。混載してはいけない等級同士をマッチングして輸送を行ってしまうと法律に違反することになりますから、この条件を満たした形でマッチングして、共同輸送を実装する必要があるのです。TranOptではその制御ができるので、コンプライアンスに準拠した共同輸送の実装が可能で、その点が評価されています。
今後の取り組みは?
⻑瀬産業では化学品物流におけるライトグリーン物流を実現するというビジョンを掲げています。ライトグリーン物流というのは造語なのですけれども、ホワイト物流と、グリーン物流を掛け合わせたものです。現状、物流業界では労働環境が厳しいですが、これをホワイトにもっていくこと。そして、昨今のカーボンニュートラルに根差した、環境負荷の低いグリーンな物流に貢献することです。これらを目指してライトグリーン物流と称して推進しています。
ライトグリーン物流を目指す中で、共同輸送の実現は最初に行うべきソリューションと考えていましてTranOptを活用した共同物流を推進しております。TranOptをフックにして、化学品メーカーや物流会社からいろいろな課題を伺うことがあります。その課題に対して、いろいろなソリューションを提案していきたい。その1つの取り組みとして化学品業界のオフラインコミュニティを始めています。このコミュニティは、対面で会員さまが一堂に介して情報交換を行うほか、有用なセミナーで知見を共有するといった取り組みを進めています。TranOptによるマッチング、そしてそれにプラスして情報交換をできる場の旗振り役を務めていきたい、そう考えています。
貴重なお話をありがとうございました。
(この記事は2024年3月14日に開催された『JPRセミナー2024』におけるインタビューをもとに再構成したものです。)