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メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン株式会社 様

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RFID+パレットでSCMの可視化へ

(2006年8月掲載。当時の情報をそのまま掲載しております。)

パレット単位で陳列する業務用卸売。RFID+パレットでSCMの可視化が実現間近に。

ドイツ、デュッセルドルフ市に本社のあるメトログループは、ドイツ最大、世界有数の流通企業です。その一員である、メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン様(以下メトロジャパン様)は、飲食業、食品小売業などのプロフェッショナルだけを対象とした会員制卸売り店を国内に3店舗展開されています。今回は管理本部サプライチェーンマネジメント部長 加藤眞様にRFIDテクノロジーとJPRへの期待を「JPRイノベーションセンター」にて伺いました。

■メトロジャパン様の販売形態とRFIDのマッチングは?

  • 加藤 眞 様

    メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン株式会社
    サプライチェーンマネジメント部長

    加藤 眞 様

加藤 様

本日、JPRのイノベーションセンターで見学したデモンストレーションのように、パレットにRFタグを装着して、積載商品の管理をするアイデアを採用すれば、店頭を含めた在庫管理を革新できる可能性がありますね。当社の店舗のようにパレット単位で商品を陳列する業態にとって、興味深いソリューションです。
たとえば、目視ではどのパレットに何が何個乗っているかをリアルタイムに把握するのは困難ですが、それがRFIDプラスepalのシステムならば解決できるかもしれない。「一気にインストアのレベルまで導入した方が早いですよ」と、そういう提案ですね。

  • 山崎 純大

    日本パレットレンタル株式会社
    代表取締役社長

    山崎 純大

山崎

多くのITベンダーがUHF帯RFIDによるソリューションの提案をはじめていますが、金属や水が電波にあたえる影響など、読み取り精度の面から商品個体にRFタグを積載するには、まだハードルがあるとお考えの企業が多いようです。そこで弊社では、パレットに装着したRFタグをパレットそのものの管理にとどまらず、積載されたお客様の商品管理にご活用いただけるよう準備に着手しています。

加藤 様

確かに現時点ではRFIDそのものの技術的な課題がありますし、また、タグの単価を考慮すると価格の低い食品・日用品などでは個品への装着は難しいと言わざるを得ないでしょう。その点では、繰り返し使用するパレットをキーデバイスにしようというJPRのアイデアは理に適っていると思います。私たちメトロジャパンの業態と相性がよさそうですしね。
私たちのミッションは「高品質な商品を低価格にて提供し、お客様のビジネスをサポート」すること。ですから、パレット、RFIDに限らず、物流の合理化には常に関心を払っています。
また、メトログループでは、「コアバリュー」としていくつかの方針を定めています。その一例が「共存共栄を目指すサプライヤーとのパートナーシップ」、そして「効率的かつローコストな運営」です。多くのお取引先と共同して効率化を進め、得られるメリットは全員で享受すればよい、これが私たちの考え方です。

山崎

私共ではドイツに社員を派遣し、御社の「メトロフューチャストア」を見学させていただきました。RFIDを活用した未来のショッピングスタイルを体感できる店舗の見学を通じて、メトログループ様の「顧客満足への強い意識」と、「革新的であり続ける」という企業姿勢を学ばせていただきました。RFIDの技術はまさに20年に一度あるかどうかという革命的なものですから、ぜひとも、世界中のあらゆる企業が使えるオープンなシステムを構築したいものです。「サプライチェーンの可視化」がRFID導入の大きなテーマですから、川上から川下まで一気通貫型の仕組みが必要だと思います。

加藤 様

メトロでは、安全性やトレーサビリティー(生産条件の履歴)が確保され、より優れた品質のために特別な方法で生産された生鮮食品に「フィリエール」というロゴマークをつけています。これは、食に対する安心・安全をお客様に保証するために、生産の段階から関わっていこうという取り組みです。効率的であることはもちろんのこと、「お客様に高い価値をお約束すること」が私たちの仕事です。RFIDによるサプライチェーンの可視化によって安心・安全を担保できるとしたら、期待したいですね。

パレットはキーデバイス。サプライチェーン全体でリアルタイムの連携を。

■メトロジャパン様の将来構想は?

加藤 様

RFIDの実用化に向けてはいくつかのフェーズを経ていくことになると思います。店舗では、RFIDを消費者の購買意欲を高めさせるために活用するというアイデアがあります。たとえば、お客様が食材を選んでいる時に、商品を手にするとその食材を使ったレシピがモニターに映り、イメージを確かめることができるといったように。RFIDを活用することで、店舗の役割である商品を「選ぶ」、「比べる」という機能がさらに充実しそうです。ただ、店舗への展開はどちらかというと、時間的に先のフェーズであって、近いところでは、商品の入荷、検品、棚卸しといった物流シーンでの、作業の効率化というところに期待しています。「まず、できるところから始める」ということです。

山崎

弊社は、お客様のRFID導入検討にあたって、実際の現場でフィールドテストを実施することをご提案しています。是非、メトロジャパン様の拠点で、RFIDリーダーを設置し、パレットをキーデバイスとした実際のテストをご検討いただければと思います。EPCglobalネットワークに対応したepalを活用することで、レンタルパレットの管理に割いていただいている伝票送付などの手間と時間を省くことができるだけでなく、在庫管理、検品や棚卸しの自動化などさまざまなメリットをご提供できます。

加藤 様

本日デモンストレーションしていただいた“パレットをキーデバイスに"というJPRのアイデアは、ドイツの本部でも関心を持つかもしれません。なるべく早く報告したいと思います。メトロのRFIDに対する理解は、かなり先進的ですからJPRのアイデアが現実的なプランだということが理解されれば、実際の取り組みに発展するかもしれません。もしそうなれば、今年5月にオープンした多摩境店はよいケーススタディができそうです。メトロジャパンとしては“パレット積みでの販売"をコンセプトに運用していますから、このような活用方法の提案はとてもありがたいですね。JPRには、我々とお取引のあるメーカーさんとも、RFIDについてさらに話し合ってもらいたいです。

■今後のJPRに期待することは?

加藤 様

メトロジャパンの中でだけでなく、JPRのパレットを介して、多くのメーカーさんと本当の意味でのサプライチェーンマネジメント(SCM)を実現できればいいですね。原料メーカーから、製造メーカー、物流センター、店舗、そしてすべてにかかわるすべての業種で目的を一致させて、SCMの統一がとれるようにしたい。店頭で商品が販売された瞬間に、メーカーでアッセンブルが始まるような、リアルタイムでの連携が理想です。JPRにはその先鞭をつけてほしいと思います。

メトロ キャッシュ アンドキャリー ジャパン 株式会社 様

メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン様は、飲食業などのプロフェッショナルを対象とした会員制卸。売場では、生鮮食品/加工食品、業務関連商品(食器、調理器具など)、アルコール・飲料など、国内外から集められた幅広い商品が販売されています。パレットやカートン単位での陳列は、まさに「プロフェッショナル」向けといった雰囲気。ワン・ストップ・ショッピングが実現することで、仕入先を複数回る方法と比べ、効率のよい仕入れが可能になるのが魅力です。現在、千葉店、川口安行店、多摩境店の3店舗でJPRレンタルパレットをご利用いただいています。