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キリン物流株式会社 様

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パレットは共存のカギ

(2009年8月掲載。当時の情報をそのまま掲載しております。)

物流ボーダーレスの時代へ。パレットは「共存」がカギになる

ビール業界で標準の9型パレット、一方、加工食品業界で標準の11型パレット。どちらに統一するのが良いか、さまざまな議論がなされてきました。今は9型・11型それぞれがインフラとして共存し、双方にメリットのある運用管理を業界の枠を越えてコラボレーションする時代になっています。
今回はキリンビール在籍中から物流に携わり、本年4月よりキリン物流 株式会社 代表取締役社長に就任された小瀧正美様にお話を伺いました。

1 物流は「共存」 ビール業界の新たな動きが始まった。

ビールメーカーや酒造メーカーの加盟するビール酒造組合で、平成4年よりプラスチックパレットの共同使用会が立ち上がりました。共同使用会では、各社がパレットを投入し、共同で使用する運用をしています。
昨年5月からは、北海道地区でキリンビール社とサッポロビール社の共同配送がスタートし、「共存」がますます注目されています。当時、キリンビールのSCM推進部長として共同配送を推進した小瀧様は「トラック台数を半分にでき、物流コストは25%減、CO₂も大きく削減できた」と当時を振り返ります。現在はさまざまな企業の配送業務を行う物流企業として、「これからは協調の時代。同業他社ともコラボレーションして、双方でメリットを享受できる仕組みをつくりたい。さらにはパレットも9型と11型を上手く循環させる仕組みをつくればビール業界・加工食品業界の枠を越えた大きな取り組みとなりますね。」と意気込みを語ってくださいました。物流の新たなコラボレーションが、今ビール業界から始まってきています。

2 パレットの「共存」 ビール業界とJPRの共同の取り組みで可能に。

キリン物流様はビール・チューハイ・ウイスキーなど飲料の他にも加工食品の配送も手掛けられ、9型と11型のパレットを運用されています。両サイズを扱っている上で、感じていらっしゃる課題を伺ったところ、「正しい運用・流出防止・確実な回収作業など。パレットのサイズと載せる商品が違うというだけで、9型も11型も共通の課題を抱えていると思います。」とお答えいただきました。課題が同じということはJPRが培った11型の運用ノウハウを9型の運用にも反映することができるということ。ビール業界とJPRのコラボレーションにより、ビール業界の物流合理化が期待されています。

9型・11型の共存+JPRの回収ノウハウでCO₂とコストを削減!

■高度成長期は「ビールが爆発的に売れた」時代。物流の省力化が急務だった。

  • 小瀧 正美 様

    キリン物流 株式会社
    代表取締役社長

    小瀧 正美 様

小瀧 様

高度成長期は「ビールは造れば売れる」時代でしたが、物流の現場では相変わらずの手積み・手降ろしでした。これでは大量生産できても出荷が追い付かない。この頃から、物流力=営業力だと実感しましたね。ピーク時には、キリンビールの主力工場で1日にトラック600台分の出荷があったため、次から次へさばくためにも省力化は急務でした。
省力化を実現するためにパレチゼーション化が始まったのが昭和40年代。当時は貨車による輸送が主流で、トラック輸送は補助的手段でしたが、その後、昭和50年代後半になると国鉄(現JR)の民営化に伴い、工場敷地内に引き込まれた専用線が撤去され、貨車の輸送からトラック輸送が主流に変わってきました。
このように輸送手段が変化していくなか、省力化を推進する一貫パレチゼーションはますますスタンダードになりました。

■規制緩和により販売チャネルが拡大。ところがパレット流出という招かざる事態に。

小瀧 様

以前は、ビールなど酒類の流通はメーカーから特約店にパレットごと納品し、空パレットを回収してくるという、とてもシンプルな形態でした。パレット流出の心配はほとんどなく、破損や多少の紛失により新しいパレットを投入する程度。しかし、規制緩和により販売チャネルが拡大したことで、流通形態がとても複雑化しました。納品先はスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ディスカウントストア、さらにはドラッグストアまで多岐にわたり、パレットの流出も年間で数万枚に上りました。このままでは損失額が増えるばかりですので、ビール酒造組合に加盟しているビール大手メーカー4社では、以前より解決にむけ取り組みを行っていました。対策を講じている中で、昨年よりJPRと共同でビールパレットの適正利用と回収促進を開始することとなりました。(※1)

  • 花輪 太郎

    日本パレットレンタル株式会社
    マーケティング本部
    開発営業部 部長

    花輪 太郎

花輪

ビールパレットの流出は近年増加傾向にあり、ビール大手4社合計で6~9万枚にものぼると言われています。JPRはこれまで11型の回収で培った経験がありますから、9型の運用管理業務にもきっと貢献できるものと自負しております。実際に回収の現場を巡回していると加工食品・日用品を取り扱っている物流センターにも9型のビールパレットが積まれているのを目にします。酒類・加工食品の垣根が低くなって共存の時代になったのだなと実感しますね。

■物流コスト削減、環境への配慮とともに、JPRのノウハウに大きな期待。

小瀧 様

配送センターに納品する場合など、納品時間が決められているケースが多く、ドライバーは荷降ろしするのが精いっぱいで、空パレットを等数枚交換で回収してくるのは現実的には難しいことがあります。ということはセンターでのパレット滞留が増えるということで、回転率の低下に加え、流出や不正使用というリスクが高くなってしまいます。そのために回収専用のトラックを配車しているのですが、回収コストもCO₂の排出も増えてしまうのが悩みのタネですね。

花輪

ビール業界が目指しているパレットの共同使用・共同回収による物流の合理化、省資源化、そして環境への配慮は、まさしくJPRが11型レンタルパレットの運用で進めていることと同じです。ビール業界の物流合理化に、私たちがお役にたてると思いますので、これからもぜひご期待いただきたいと思います。

小瀧 様

JPRさんがビールパレットの運用をお手伝いしてくれることで、商品納品先でのパレット滞留の解消や、不正使用・流出防止の意識付けができると考えています。特に、不正使用に関しては、コンプライアンスの観点からも正しい使用方法を啓発していく地道な活動をJPRさんと一緒に取り組んでいきたいですね。さらに、流出してしまったパレットの回収業務は、11型での回収実績があるJPRさんだからこそできると期待しています。パレットがなければ、ものは造れても運べません。もっとパレットの存在価値を重要視するべきだと考えます。このような意識改革にJPRと一緒に取り組んでいきたいと思います。

※1 この業務は、JPRの関連会社であるRTIマネジメント株式会社がビール大手4社から受託したものです。

キリン物流株式会社 様

キリン物流様は、キリンビール社商品の物流業務全般を行うほか、酒類・飲料・食品等、幅広い企業へ物流サービスを提供されており、JPRのパレット配送業務でもお力添えをいただいています。特に、物流効率化に先進的な取り組みをされており、2009年に建設した神奈川県の物流施設は、国土交通省が認定する総合効率化計画に認定されました。物流デベロッパーと共同での認定は全国で初めてのケースです。