事例・実績

アサヒビール株式会社 様

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物流の可視化が利益を生み出す

(2010年1月掲載。当時の情報をそのまま掲載しております。)

RFIDが物流と資産管理を変える

鍋田 弘 様

居酒屋などで生ビールを樽から押し出す時に使用する炭酸ガス。その炭酸ガスを容れたボンベは法律により、1本1本を個体管理することが義務付けられている。アサヒビールはこの炭酸ガスボンベの管理にRFIDに対応したWeb物流機器在庫管理システム「epal」(イーパル)を導入。大幅な作業の効率化に加え、物流からの利益創出を図っている。

RFIDによるボンベの個体管理へ

—ビール用炭酸ガスボンベの管理にRFID対応Web物流機器在庫管理システム「epal」を導入された理由と経緯をお聞かせください。

  • 鍋田 弘 様

    アサヒビール株式会社
    物流システム部長

    折田 房治 様

    アサヒビール入社以来、経理を専門に担当。事業計画部長、効率化推進室長を経て2005年から物流システム部長を務める。資産管理の視点から物流の効率化に積極的に取り組んでいる

折田 様

炭酸ガスボンベは、高圧ガス保安法により容器の耐圧検査や移動時などに、個体番号による管理を行うことが義務付けられています。これまでアサヒビールでは、ボンベの出荷・回収時に1本ずつボンベ番号を調べて手書きで伝票作成を行っていました。その作業負荷を軽減したいというのが導入理由の一つです。もう一つは、資産管理の強化です。当社は年間数十万本の炭酸ガスボンベを使用していますが、従来の方法では紛失や未回収の実態を詳細に把握することは困難で、新たに多数のボンベを購入せざるをえませんでした。そのため、新たな管理方法を導入して情報をきちんと把握し、資産管理の視点から無駄な設備投資をなくしたいという思いがありました。
その道具として利用しようと考えたのが、日進月歩で性能が向上しているRFIDです。当社でも数年前から注目しており、実証実験を経て2008年12月から経済産業省と国土交通省が認定したグリーン物流パートナーシップモデル事業をスタート。本格稼働に向けて日本パレットレンタル社のRFID対応Web物流機器在庫管理システム「epal」を管理システムとして導入することにしたのです。

作業時間が10分の1に短縮

—容器管理システムの導入によって どのような効果がありましたか。

折田 様

ボンベに装着したRFIDをハンディターミナルで読み取ることにより、それまで手書きで行っていた伝票作業を自動的に一括して行えるようになりました。その結果、ボンベ1本あたりの作業時間は30秒から3秒に短縮され、大幅に効率化しました。生ビールの需要がピークになる夏季と年末には入出荷が通常の倍以上になり、物流センターも多忙を極めます。そんな時に「epal」があることで現場の作業が非常にラクになり、記入ミスの心配もなくなりました。

 また、どの炭酸ガスボンベがどこにあるのかが可視化されるので、所在不明になってしまったボンベの追跡や原因の特定が容易にできるようになりました。個々のボンベの回転効率を明らかにすることで、新しいボンベの購入量を減らすことができるので、設備投資の抑制にもつながるものと期待しています。

物流の可視化が利益を生み出す

—この取り組みはアサヒビール様の収益や企業価値向上にどのように貢献していますか。

折田 様

物流部門としてどのように会社全体の収益に貢献するかを考え、バランスシートを重視しています。資産管理をきちんと行えば、本来必要のないボンベ(無駄な資産)を減らし、キャッシュフローを良くすることができます。私は、これからの物流はバランスシートやキャッシュフローを考えていく必要があると思っています。今回の炭酸ガスボンベの例のように、サプライチェーンを通じた管理をしっかりと確立することで、物流から利益を生み出すことができるのです。

アサヒビールでは現在、関東エリアを中心にこのシステムを導入し、標準化を進めています。今後は全国展開を視野に入れるとともに、当社が得たノウハウがビール業界や充填メーカー共通のインフラになればと考えています。そうすれば、業界全体でさらなる物流の効率化やそれにともなうCO₂排出量削減など環境負荷の低減にも貢献することが可能になるでしょう。アサヒビールでは、これからも経営の視点から物流への新技術導入に積極的に取り組んでいきます。

今回、「epal」を採用した理由は、日本パレットレンタル社が一般のシステムベンダーでは持ち合わせない物流ノウハウを提供してくれるところに魅力を感じたからです。技術面はもちろん、私たちと共にアサヒビールの企業価値を高めてくれるベストパートナーとして期待しています。

最盛期の出荷作業がラクになりました

  • 青木 茂生 様

    アサヒビール株式会社
    東日本物流部
    茨城物流センター副課長

    青木 茂生 様

RFID対応「epal」の導入によって、作業者の負担が軽減し、伝票作成の精度も向上しました。物流現場での使い勝手も良く考えられていて、作業員がすぐに使えるようになりました。炭酸ガスボンベをメッシュボックスパレットに入れたまま、上からかざすだけでRFIDのデータを読み取ることができます。特に需要最盛期には作業の効率化の効果が大きいですね。需要期にはボンベの数量もタイトになりますから、「epal」から得られるデータを営業部門などとも共有して効率的な運用を進めていきたいと思います。