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P研20周年 特別インタビュー

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(2009年4月掲載。当時の情報をそのまま掲載しております。)

P研の進化論 [1] 流通・物流は変わった。P研も変わる時がきた。

1990年、P研は、より良い物流のしくみの調査、研究やレンタルパレットの共同利用を目的に、食品メーカー7社とJPRのメンバーで設立されました。それから20年近く経過し、P研会員数は148社、パレット納入枚数も年間1200万枚を超えました。この拡大の裏側にはP研メンバーの並々ならぬ努力と物流のインフラを確立したいという熱い想いがみなぎっています。今回はP研の草創期からご尽力いただいておりますハウス物流サービス株式会社 早川哲志様とキッコーマン株式会社 横山恒様をゲストに、変革を迎える物流とP研の在り方についてお話をうかがいました。

写真 (写真左から)
キッコーマン株式会社 理事 物流部長 (P研副代表幹事) 横山恒様
ハウス物流サービス株式会社 代表取締役社長 (P研代表幹事) 早川哲志様
日本パレットレンタル株式会社 代表取締役社長 山崎純大
日本パレットレンタル株式会社 取締役 マーケティング本部長 岡部利文

■複雑化する物流環境

横山恒様写真
キッコーマン株式会社
理事 物流部長
(P研副代表幹事)
横山恒様
早川哲志様写真
ハウス物流サービス株式会社
代表取締役社長
(P研代表幹事)
早川哲志様

岡部 P研が設立された1990年は、バブル経済のまっただ中で、大量生産・大量消費、それに伴う大量輸送の時代でした。その中でハウス食品様とキッコーマン様がP研のメンバーになられた経緯をお聞かせください。

早川様 20年前はパレットを「仕組み」としてではなく「物流機器」として捉えていたので、パレット調達が悩みのタネでしたね。それはレンタルパレットに切り替えることで解消されましたが、やはり回収の悩みまでは消えませんでした。P研入会のきっかけは、必要な時に必要な枚数を調達できるうえに自社回収の悩みも解消できるというふたつのメリットを享受できることですね。

横山様 当社においては自社パレットで運用していましたので、需要期に合わせてパレットを作らなくてはなりませんでした。たとえばトマトジュースの場合、夏の収穫量によって生産量が変わるので、パレット調達枚数の見込みを立てるのがとても難しかったです。一方で、需要期を過ぎるとパレットが工場の隅で野ざらしになっているという状況もありました。そして何より苦労したのは自社パレットの回収です。まるで広い砂漠で小さな物を探し出すような作業でした。そんなパレット管理に悩んでいる時にハウス食品の早川さんから勧められてP研への参加を検討しました。検討した結果、今後、このシステムが社会的なインフラになると考え、会社に提案した次第です。

早川様 パレットの調達という視点だけでなく、やはり回収という点がメーカーにとっての大きなメリットです。ある飲料メーカーさんの場合、自社パレットが年間3分の1は紛失していたといいますから、3年間でパレットがすべてなくなる計算になります。数億円にのぼる損失と考えられ、企業にとっては大きなダメージです。

山崎 一貫パレチゼーション初期の頃は、パレットを共同利用、共同回収するということが多くのメーカーさん、流通各社さんにとって共通するメリットで、ニーズの最大公約数をとらえていれば大量輸送に対応できました。ところが今では流通全体が大きく変わり多品種少量生産があたりまえになり、物流も個別対応が求められてきています。つまり最大公約数を見出しづらい時代になりました。

早川様 確かに今の物流は複雑化していますね。ハウス食品もかつては大量生産・大量輸送が主流で、工場から商品単品をパレットで流通各社さんに直送することが多かったのですが、それが今では発注品目は多く一品目当たりのロットは少なくなってきています。それに対応するために2段階輸送をとっておりまして、1段階目ではパレット輸送できるのですが、2段階目ではさらに小口になります。そのため、パレット輸送が適さない場合もあり、小口をどう効率良く輸送するかが当面の課題でもあります。

横山様 これまでは商品の流れがメーカーと流通の一対一というシンプルなものでしたが、今ではメーカーから流通業の拠点A店へ納品した後、B店・C店へ流通する一対複数が当然のことになりました。このように複雑化する流通環境に対応し、回収効率をどのように高めるかが課題ですね。

■ますます変化する流通

岡部利文写真
日本パレットレンタル株式会社 取締役
マーケティング本部長
岡部利文
山崎純大写真
日本パレットレンタル株式会社
代表取締役社長
山崎純大

岡部 大手流通は物販だけでなく金融事業へも事業展開するなど総合リテール事業に様変わりしつつあります。コンビニにおいても商圏は狭くなり、商品数は多く、地域特性を出さないと生き残れない時代になりましたが、今後も流通は変わるとお考えでしょうか?

早川様 流通の変化はすでに始まっています。そのひとつが大手流通のPB品を供給しているのが大手メーカーということ。これまででは考えられなかったことですね。それから多品種少量でセンターに毎日配送し、その後センターから店舗に納品された時点ではじめて納品となる仕組みになっています。日本の仕組み、消費者のスタイルが変化しているのですから、流通も変わって当然と考えています。

■パレットも変わる時代

山崎 サプライチェーン全体でパラダイムシフトの時期に来ていると考えています。JPRではこれまでパレットをあらゆるご利用形態を考慮して設計してきましたが、その結果、重量もコストも上がってしまいました。環境の変化を捉え、ハード優先の考え方から軽量化、コストパフォーマンスの追求といった考え方にシフトしなければならない時期にきていると考えます。

横山様 最大公約数を見出すことは容易ではないでしょうが、場面によっては、パレットもさほど重厚なものでなくも良いかもしれませんね。保管用にはある程度の強度が必要ですが、輸送には軽い方が車両の積載量を考えても有利です。そういった使い分けができるようJPRが対応しようとしているのは、とても心強いですね。