事例・実績

日本スーパーマーケット協会 様

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物流クレートで小売革命

(2010年3月掲載。当時の情報をそのまま掲載しております。)

さまざまな食品を輸送する際に使用されるプラスチック製の箱をクレートという。これまで各社各様だったクレートを統一し、共同で運用することによって作業効率化や環境負荷の軽減につなげようとする取り組みがスーパーマーケット業界で始まった。小売業界に革命をもたらすともいえるクレート標準化の意義について聞いた。

各社各様のクレートによる非効率が発生

■日本スーパーマーケット協会がクレートの標準化・共有化を進めようと動き始めたきっかけをお聞かせください。

  • 大塚 明 様

    日本スーパーマーケット協会
    専務理事

    大塚 明 様

    首都圏を中心に食料品スーパーマーケットを展開する株式会社ヤオコーにおいてロジスティクスや情報化業務を推進。2009年4月より現職。小売業の生産性向上に向けたインフラ整備に情熱を傾ける。

大塚 様

スーパーマーケットでは、天候や地域イベントなどにより日々の販売額が大きく変動します。一般的な製造業と比較しますと、生産プロセスの平準化が難しく、刻々と変化するお客様のニーズに機敏に対応することが求められます。こうした業界の特性を背景として、スーパーマーケット業界では各社各様のシステムを構築し、独自性を追求することで競争に鎬を削ってきました。しかし、その結果として、非効率な面も生じてきました。
その一つがクレートの問題です。ベンダーとスーパー双方が、各社各様のクレートを用いてきたため、クレートの種類が増大し、店舗や物流センターでの作業効率、保管効率に多大な影響が生じていたのです。また、ダンボールによる配送は、リサイクルがともなうため、費用ならびに環境面からも課題になっていました。
そこで、2005年、当協会をはじめとする流通団体が連携して業界に呼びかけ、物流クレート標準化協議会を設置し、共有化に向けた検討を始めました。物流や情報システムなどの共通インフラづくりは個々の企業では進めにくく、私たちのような業界団体が音頭を取って推進する必要があります。スーパー各社が、ベンダー各社とも協働しての課題に取り組むのは今までにない画期的な出来事でした。

フロンティアスピリットを持つパートナー

■標準クレートおよび「epal」(イーパル)による運用に当たって考慮されたことは何でしょうか。

大塚 様

物流クレート標準化協議会では、クレートの規格統一や、運用ガイドラインの作成など、ハード・ソフト両面から整備を進めてきました。そのなかで、クレートの管理システムとして、日本パレットレンタルのWeb物流機器管理システム「epal」を採用したのです。
管理システムの検討に際して私たちが最も重視したのは、システムそのものの機能はもちろんのこと、運用を支えてくれるサポート体制です。共通インフラ整備についてはどの企業も賛成してくれますが、実際に導入するとなるとさまざまな要望が出され、各企業との調整など、きめ細かい対応が必要となります。こうした問題を一緒になって解決するには、フロンティアスピリットを持つパートナーが必要です。その点、日本パレットレンタルはパレットでの確かな実績を持っており、お会いしたスタッフからも何事も熱意を持ってやり遂げようという前向きな企業精神を感じました。実際、運用開始の際は、現場に入って課題を一つひとつ解決するなど、取り組みを促進する役割を果たしてくれています。

クレート共有化を小売業界改革の突破口に

■クレート共有化の取り組みは、小売企業や小売業界にどのような効果をもたらすとお考えでしょうか。

大塚 様

「epal」による標準クレート管理システムの運用は、2009年4月に小売4社でスタートし、本年4月時点では16社へと拡大する見通しです。導入効果として、まだ作業時間やコスト改善などの定量評価には至っていませんが、各社からは「作業がラクになった」という声もいただいています。
こうした共同化の取り組みは、物流にとどまらず、情報など他の業務システム標準化の突破口になると期待できます。成熟化が進む日本の市場において、スーパーマーケットには、商品を仕入れて売るだけでなく、お客様のご要望に、よりきめ細かく対応していくことが求められています。そのためにも、競争の必要がない経済的な利益が得られる部分は共同化を進め、お客様とのインターフェイスの部分に経営資源を集中していくべきだと私は考えています。このような試みが小売各社の企業体質を強化し、ひいてはスーパーマーケット業界の社会的地位向上につながるのではないでしょうか。
当協会の取り組みを支える「epal」、そして情熱と信念を持って我々をサポートしてくれる日本パレットレンタルの対応には非常に満足しています。今後も実績を積み重ねて、物流クレート共有化の普及拡大に努めていきます。

さらなる標準化に期待しています

  • 廣田 均 様

    ユニー株式会社
    瀬戸低温物流センター
    運営会社
    株式会社トーカン
    量販物流部

    廣田 均 様

当センターでは、約24万個の標準クレートを保有し、「epal」による管理を行っています。クレートが標準化されたことで、仕分け作業が不要になり、輸送の際の積載効率も上がりました。ベンダーさんから、当センターへ、さらには店舗へと標準クレートによるスムーズな輸送が実現しますので、物流品質の向上にもつながります。お客様、お取引先様とともに改善を続けていくために、標準クレートと「epal」を有効に活用していきたいですね。