事例・実績

アサヒロジ株式会社 様

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パレットは大事な資産

(2009年10月掲載。当時の情報をそのまま掲載しております。)

パレットの大切さ、声を大にして伝えたい!

パレットがメーカーの販売力を左右するほど重要なことは物流業界では周知のことですが、残念なことに立場や業界が異なるとその認識が異なってしまうことがあります。たかがパレット、されどパレット。
今回はアサヒビールの営業部から営業企画部、そして物流部に在籍され、現在はアサヒロジ株式会社専務取締役の杉山順一様にお話を伺いました。物流業界に入られて14年、さまざまな立場にいらした経験から多面的なご意見をお聞きすることができました。

たった一枚のパレット不足で、製造ラインが止まることも!

  • 杉山 順一 様

    アサヒロジ 株式会社
    専務取締役

    杉山 順一 様

杉山様は昭和48年、アサヒビールに入社されてから経理部、営業部、営業企画部を経て、平成7年に物流部の物流企画課長に就任されました。営業部にいらした頃は予算の確保や販売強化が命題でしたが、物流部に異動後はコスト削減が命題になり、その違いにギャップを感じたそうです。とくにパレットに対する意識の違いは、はっきりと表れており、「私自身、営業部時代は、製品に対する意識は高い反面、パレットまで意識がいっていなかった。ところが物流部の視点から見るとまったく逆で、パレットこそメーカーの生命線という見方をします。」と当時を振り返ります。

ビールメーカーはパレットの共同使用を行っていますが、需要期は各社まったく同時期のため、パレット回収が困難になることもあります。10年ほど前のピーク時には、パレット回収が追いつかず製造ラインを止めざるを得ない事態に陥ったことがあったと言います。急遽レンタルパレットを投入して乗り切ったそうですが、物流部門以外の部署の方にも「パレットがなければ、物は作れない」ことを伝えたいと熱く語られていました。

■パレットは大事な資産。不正使用を根絶させたい。

ビールパレットは汎用性が高く、利用しやすいという面があるため不正使用が後を絶ちません。杉山様がアサヒビール在籍時には、防止策として、ビール瓶やケースと同様に出荷時にパレットの「保証金」を預かる制度を検討した時期がありましたが、運用を始めるにはさまざまな課題があり、実際の運用には至りませんでした。
しかし不正使用は何としてでも根絶させたいという想いから、「ビールパレットは勝手に使ってはいけないもの」と、意識の向上をはかることを目的に活動をはじめられました。
この活動はビールメーカーや運送会社を中心に今も継続されていますが、課題として二次三次の出荷先までなかなか声が届かないことがあげられていました。
その解決策として期待をお寄せいただいているのが、JPRがビール大手4社から受託しているビールパレット回収促進業務(※1)です。荷主であるメーカー様からは声の届かない出荷先まで、JPRを通じてビールパレットの正しい運用方法を周知していくことが可能になったのです。

「不正使用」 をなくしたい。アサヒロジ 様とJPRの活動は、物流業界の願いそのものでした。

■ビールパレットの課題は、11型パレットの課題とイコールでした。

杉山 様

物流畑を歩むようになって14年。これまでの経験から、私が感じたビールパレット運用上の課題は3つありました。
まずはパレットサイズの統一です。これはビールメーカー、清酒メーカー、焼酎メーカーそれぞれ異なるサイズを使用していたのを、平成8年に卸店さんからの強い要望により、9型と11型に統一することになりました。現在では、酒類メーカーのほとんどが9型を使用しています。
次に、木製パレットからプラスチックパレットへの移行。荷傷みをなくす、という観点で、現在はプラスチックが主流になっています。
そして、流出の問題。商品を降ろしたパレットの回収率をいかに高めて流出を減らすか、これは今も変わらぬ課題と感じています。

■流出防止策は啓発活動と等数枚交換の徹底

杉山 様

流出や不正使用を防止するために、商品納品時の正確な等数枚回収の徹底と、現場での情報を荷主に伝えることが物流企業である私たちがすべきことだと思います。等数枚交換ができず、納品先で空になったパレットが滞留してしまうと、ビール酒造組合のプラスチックパレット共同使用会以外の企業による持ち出しなど、流出・不正使用のリスクが増えてしまいます。
ただ、現場で等数枚交換を受け入れてもらえないケースがあることも実情です。「今日は空きパレがないから明日来て」と言われて翌日行くと、他社メーカーさんに既に回収されてしまっていた、ということもあります。このような場合も、現場の情報を荷主に正確に伝えることを徹底しています。現場を知っているのは物流企業のドライバーたちですからね。さまざまな対策を講じてきましたが、流出や不正使用を防ぐには、私たち物流企業と荷主メーカーで、地道な啓発活動を継続していく他に手段はないように思います。

  • 岡部 利文

    日本パレットレンタル株式会社 取締役
    マーケティング本部長

    岡部 利文

岡部

流出・不正使用はJPRにとっても非常に深刻な問題です。
これまでにもさまざまな防止策を考えてきましたが「流出防止に奇策なし」で、結果的には啓発活動を根気よく続けていくことですね。
JPRの共同回収システムの場合は、納品から回収までの期間を短縮すれば流出の機会を減らすことにつながりますので、パレットが空いたらすぐ回収する、という活動を常に行っております。

杉山 様

不正使用は意図的である・なしにかかわらず、許される行為ではありません。
私がアサヒビールで物流を担当していた頃は、回収率は97%から99%でした。パーセンテージで言うとそれほどでもないと感じるかもしれませんが、枚数で言うと10万枚を超える損失です。
パレットがなければ物がつくれませんから、回収率の低下はメーカーにとっては致命傷。これからも、現場を知っている立場として、流出・不正使用防止に取り組みます。

岡部

JPRの回収活動においても、運送会社さんの役割はとても重要です。
アサヒロジ様にはJPRの共同回収業務をお願いしておりますが、回収業務だけでなく、現場の情報を収集してくださるおかげで、納品先に対して具体的な働きがけができるようになりました。まさに、JPRの共同利用システムを支えてくださっています。

■広いエリアをカバーできるJPRのネットワークに期待。

杉山 様

ビールメーカーも、不正使用に対する啓発活動は継続して行っておりましたが、お願いできるのは一次出荷先までが精一杯でした。最近は特に、流通経路が複雑化して、二次・三次の出荷先には、荷主の声が届かないのが現状です。
その点、JPRさんは、広いエリアまで回収・啓発活動を行うことができますので、ビール大手4社と一緒にパレット回収促進に携わってくれることで、流出防止に多大な効果がでることを期待しています。

岡部

ありがとうございます。当社のネットワーク網と、11型の回収で培ったノウハウは、9型パレットのマネジメント業務でお役にたてると思います。
9型と11型、抱える課題は共通しています。私共は、これからもお客様とともに、流出・不正使用の対策にとりくんでまいりますので今後ともよろしくお願い申し上げます。

※1 この業務は、JPRの関連会社であるRTIマネジメント株式会社がビール大手4社から受託したものです。

アサヒロジ株式会社 様

アサヒロジ株式会社 様は2006年、アサヒビールの物流部門を担う5社を再編し設立された物流企業です。「減らす」物流サービスの提供をテーマに、在庫量・物流拠点数、リードタイム・物流コスト・CO₂排出量まで最大限のスリム化を提唱されています。輸送効率を高めるための酒類の共同配送をはじめ、倉庫運営、流通加工、工場製造ライン請負など多岐にわたった事業展開をされています。
JPRとはパレット共同回収業務で多大なるお力添えをいただいております。