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ハウス食品株式会社 様

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個体管理と作業効率UPを実現するRFID

(2006年4月掲載。当時の情報をそのまま掲載しております。)

RFIDは食品業界の物流革命。ICタグ搭載のパレットに大きな期待が寄せられています。

近年の物流業界におけるホットニュースといえば、まさしくRFIDです。物流のあり方が、ガラッと変わってしまうほどの可能性を秘め、ここ1~2年の需要予測も急上昇。JPRでもパレットにICタグを搭載し、物流の管理・システムという視点での研究を進めています。そんなRFIDと物流についてハウス食品株式会社マーケティング本部SCM部長早川哲志様にお話をうかがってまいりました。

  • 早川 哲志 様

    ハウス食品株式会社
    マーケティング本部 SCM部長

    早川 哲志 様

■ハウス食品様がお考えのRFIDとは?

早川 様

食品業界がRFIDに期待しているメリットは、まず「トレーサビリティ」が実現することですね。食品は、品質の安全性が常に最優先の課題です。ですから、万一、事故が発生した場合の「追跡」ができるということが、いちばん取りあげられます。それから、作業の効率化と精度の向上。たとえば、食品は日付管理が重要。検品作業にも非常に気を使いますから、このあたりもRFIDによる自動化で効率化するとともに、より正確になるのではないでしょうか。
ただ、いまのところ、なかなか実用化は進んでいない。なぜだというと、まず技術的な問題。たとえば、缶やレトルトなど商品一つ一つにタグを付けるところまでは、(電波が金属や水の干渉を受けるといわれているため)難しいということです。もうひとつの問題はコスト。たとえば、ひとつ100円の商品があるとすると、これに取り付けるタグの値段は、何銭というところまで行かないと、これもまた難しいだろうと。そういう意味で、ケースなりパレットなりユニットを対象にするのが、当面できることだろうという考え方になりますね。

  • 山崎 純大

    日本パレットレンタル株式会社
    専務取締役

    山崎 純大

山崎

パレットにタグを取り付けますと、資産管理という観点でもメリットは多大です。
弊社のレンタルパレットは全国に流通しており、「今どこに何枚パレットがあるのか」を正確に管理するのが非常に難しいのですが、RFIDによる個体管理が実現すればパレットの移動が可視化され、データを一元的に管理できるようになります。お客様にとって、そしてもちろん弊社にとっても頭の痛い「パレットが無くなる」という問題を相当程度クリアできるはずです。

早川 様

非常に重要なところですね。取引先から届いたパレットと、もともと自社でレンタルしていたパレットの区別がはっきりする。

山崎

仰るとおりです。これによりパレットの回収効率をさらに高めていきたいと考えています。ペーパーレス化、リアルタイム化といったデータ面でのメリットも含めて、JPRは、RFIDによる効率化の効果をお客様に還元させていただくことを目指します。

タグメーカーでもない、システムベンダーでもないJPRに期待すること。

■RFIDとepalとの連携は?

  • 加納尚美

    日本パレットレンタル株式会社
    常務取締役

    加納 尚美

加納

epalはインターネットを活用した在庫管理システムですが、現在、お客様には手入力で出荷情報・荷受情報をご入力していただいています。これがRFID管理になると倉庫に設置したゲートを通過しただけで、自動的に入出荷データがepalに反映されるようになります。パレットの入出荷状況が瞬時に把握できるということは、将来的には、パレットの情報と紐付けすることで、お客様の商品の情報管理にも応用できる可能性があります。もちろんレンタルパレットのご利用そのものが、スピーディになり、そして情報処理が正確なものになることはいうまでもありません。RFIDとepalの融合によりお客様にさまざまなメリットをご提案できると考えています。
epalに関してはEPCglobal(イーピーシー・グローバル)ネットワークという世界的標準に対応するためのバージョンアップに取り組んでいるところです。EPCglobalネットワークでは、タグのデータのフォーマットにあたるものを定めています。EPCglobalネットワークに登録することで、「マネージャーナンバー」を取得できます。これは、企業番号にあたるものですね。これと一緒に「オブジェクトクラス」、「シリアルナンバー」といったものがタグの一つ一つに書き込まれることになります。ユーザーは、ネットワークにアクセスして、「このタグはどの企業のどういう商品で製造日はいつ」といった、情報を閲覧する-非常に大まかですがこのような仕組みとepalが連携していきます。

山崎

オープンなネットワークですから、必要なアクセス権限さえ設定すれば、企業間で必要な情報を共有できます。たとえばハウス食品様の工場から商品が出荷された段階で、ゲートを通じて出荷情報がアップされるので、荷受け側は商品到着前からすでに受け入れ体制がとれることになります。出荷側のメーカー様にとって、事前出荷情報をあえて出さなくていいので、メリットを感じていただけるのではないでしょうか。

早川 様

非常におもしろいですね。サプライチェーン全体で情報をリアルタイムに共有していくこと、これが実現していけば、相当に効率がよくなると思います。今はまだ、技術面の問題があるけれども、こういった部分は何らかのきっかけで、一挙に解決していくでしょう。コスト面についていえば、個品にタグをつけるよりもパレットにつけるほうが、費用負担率が低い訳ですから、ここから入っていくというのはひとつの方法ではありますね。

■JPRに期待されることは?

早川 様

冒頭にも申しあげたのですが、当面は個品ではなくカートンやパレットがRFIDで管理する対象になるだろうと思います。タグをどこにどのように付けるか、耐衝撃や耐水を含む技術的な革新は、これから先も課題になってくるでしょうけれども、パレットをレンタルする企業の立場からすると、利用する価値が高まっていくことを期待しています。パレットといいますか、レンタルの仕組みそのものの技術革新を、率先して進めていただくこと。これが一番に望むことですね。乗り遅れないようにしていただかないと、困りますから(笑)。

ハウス食品株式会社 様

P研(T11型レンタルパレット共同利用推進会)をはじめ、JPRレンタルパレットシステムにご理解をいただき、ご愛顧いただいております。このたびハウス食品様が参加された「食品流通高度化のための電子タグ実証事業」においては、弊社もコンソーシアムに参加させていただきました。